« 「死の町」発言を聞いて考えたこと。 | トップページ | 東日本大震災から半年が過ぎて。 »

2011年9月10日 (土)

震災後、あらためて読む小松左京原作『日本沈没』

 小松左京氏が亡くなって49日が過ぎた。氏の作品で一番好きなのが『日本沈没』。私が9歳の時、初めて観た大人の映画だ。もちろん両親に連れられて行った。映画館は満員だったが、その内容は物事が良く分からない自分にもかなりの衝撃を与えた。それから40年近くなるが、映画は何回も観ているし、小説も舐めるように読んでいる。

 この作品の面白さは、未曽有の災害に日本民族はどう立ち向かうのかという大きなテーマとともに、日本沈没という大変動を発見するまでの過程と、1億2千万人の日本人をどうやって海外に逃がすかという政府の苦悩を赤裸々に描かれていることだ。私が特に印象にのこっているのが、日本と日本人の未来を考えた3人の識者が影のフィクサー渡老人に手渡すシーンだ。映画では首相と渡老人との対談になっているが、ここで話される日本人論は言いえて妙だ。

 311の震災の後に読むと、この作品に描かれる日本人像が妙に符合するから不思議だ。同胞を救うためには危険地帯であれ勇猛果敢に突っ込み、自分より若い人達を優先して逃がそうとする。この国民性は他にはないのではないか。そして、最後に渡老人と大変動の発見者である田所博士と、日本人論を語り合う。この掛け合いは21世紀になった今でも通じるようなことのように思えるのだ。

 明日で震災からちょうど半年が経つ。相変わらず国の中枢は脚の引っ張り合いを続け、うんざりするが、少なくとも日本という大地がある限り、その魂は生き残り必ず今以上の復興を遂げるに違いない。亡くなられた小松左京氏のご冥福をお祈りします。

 

« 「死の町」発言を聞いて考えたこと。 | トップページ | 東日本大震災から半年が過ぎて。 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/219908/52697281

この記事へのトラックバック一覧です: 震災後、あらためて読む小松左京原作『日本沈没』:

« 「死の町」発言を聞いて考えたこと。 | トップページ | 東日本大震災から半年が過ぎて。 »

2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ