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2011年12月18日 (日)

東野圭吾「天空の蜂」を読んで思うこと。

 この小説が刊行されたのは今から16年前だ。恐らくその当時手にしていても普通のSFミステリー小説で終わっていたかもしれない。しかし実際に原発事故が起きた今となっては手に汗握る気持ちでページめくっていった。

 背表紙に載っているあらすじは「奪取された超大型特殊ヘリコプターには爆薬が満載されていた。無人操縦でホバリングしているのは、稼働中の原子力発電所の真上。日本国民すべてを人質にしたテロリストの脅迫に対し、政府が下した非常の決断とは。そしてヘリの燃料が尽きるとき・・・。」となっている。

 何より東野氏の凄いのは、原発の内部構造はもちろん、反原発運動のこと、電力会社の対応、原発作業員のこと等々、原子力発電所に絡む様々な問題点について、こと細かく描かれていることだ。これを読むと、当時も現在と同じような問題を抱えていたんだなぁということがあらためて分かる。

 そして、事件発生から解決までが10時間程度の話ということもあるけれど展開がスピーディだ。刻々と迫る恐怖に心が揺さぶられる。ただ正直言って、こんな大それた犯行の割には動機が弱いような気もする。いずれにしろ、今だからこそ読んでおきたい作品で読後満足感は高い。

 蛇足になるが、東野作品は映像化されているものが多いけれど、さすがにこれは難しいだろう。技術的には全く問題ないけれど世間がどう反応するか。何と言っても日本は言霊の国。この小説を真似て事件を起こすことは出来ないだろうけど、不安を煽ることは間違いない。そうなると、すぐ「不謹慎だ!、けしからん!」ということにもなりかねないからだ。まあ、小説の映像化は当たり外れが大きいから、自分の頭のスクリーンで我慢する方がベストなのかもしれない。

 

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