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2013年3月28日 (木)

映画「希望の国」(園子音監督)を観て思うこと。

 昨年秋公開された「希望の国」。NHKのETV特集で園子音監督のことを取り上げた時にメイキングを紹介していたので劇場で観たかったのだが、商業ベースにのらない作品の為か、うちのような田舎のシネコンには来なかったような気がする。

 それに、この作品はエンターテイメントとしては題材が重すぎる。福島第一原発事故によって引き裂かれることになった家族の物語だからだ。もっとも、映画上では福島の事故後、再度、同じことが別の架空の件(長島県)で起こったことになっている。ちなみに、長島は長崎の「長」と広島の「島」を組み合わせたらしい。

 この作品では、原発事故によって起きる理不尽極まりないことが赤裸々に描かれている。自分の家の庭先で規制線が引かれる。被災者に対する差別と偏見。土地や仕事を奪われ家畜は殺処分命令。メディアによる「もう大丈夫ですよ」という空気づくり。辛くなってくる。でも、これはほとんどが実際にあったことなのだ。いや、2年経った今でも続いているのだ。

 しかしながら、政権が変わるや否や、もう、原発再稼働は視野に入れているし、東大の研究チームとやらは「原子炉は地震で深刻な状態にはならなかった」なんて中間報告を出しているし、子供の甲状腺異常についても、原発事故由来ではないようなことにしようとしている。東電には捜査さえ行われず元会長は天下っている。デタラメ過ぎないか?こんなことを許していいのか?

 もっとも、この作品を観る人なんて、ごく一部の人であって、多くの人達は既に終わったことであって、振り返りたくもないのかもしれない。メディアさえ押さえてしまえばこっちのものだと原子力村の人達がほくそ笑んでいる。人の身になれないものか?悲しいけれど、それが現実だ。

 私は昨夜観たのだが、監督はこんなに過酷な内容を描いているのに、何で「希望の国」というタイトルにしたのだろうかと、ずっと考えていた。これは観た人それぞれ答えが違うと思う。私自身は、原発事故によってまるで終戦直後のような惨状になってしまったけれど、ここから立ち直るには現実をしっかりと受け止め、「希望」を持つこと以外にないのではないか?という答えになった。それにしても、現在進行形でこんなことが起こっているのは嘆かわしい限りだ。

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